冨田勲さん死去

作曲家の冨田勲さんが5日、慢性心不全のため84歳で亡くなったそうです。シンセサイザー奏者・作曲家として活躍された方でした。

冨田勲さんは慶應大学の先輩であり、同時にSFCの冨田勝環境情報学部教授のお父様にあたります。リボンの騎士をはじめとした様々な音楽を作曲されましたが、ディズニーファンであれば東京ディズニーシーに入園してすぐの地球儀、アクアスフィアの周辺で流れている昼の音楽、夜の音楽をそれぞれ作曲した方としてご存知の方もいらっしゃるかと思います。

2012年には世界で初めてボーカロイドを導入した交響曲として「イーハトーヴ交響曲」を作曲され、初演演奏会に参加させて頂きました。シンフォニーにボーカロイドなんて、と思ったものでしたが、奥行ある音楽から浮き上がってくる初音ミクの歌声と宮沢賢治の言葉は見事なもので、さすがシンセサイザー音楽の第一人者だなと感動したものです。本当に良い経験をさせて頂きました。

一枚目はそれぞれ映像を手掛けられたToshiyuki Takahei様(@toshi_takahei)、二枚目はKagaya様(@KAGAYA_11949)より掲載を許可していただいた写真です。(尚両写真中央のキャラクター、初音ミクはクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の著作物です。)

どちらの演奏会にも参加させていただきましたが、指揮者を基準にボーカロイドがオーケストラと呼吸を合わせ、その周りに美しい映像を通じて宇宙が広がっていくスケールの大きさ、そして交響曲の最後には児童合唱と初音ミクがともにハーモニーを作るなど、まさに冨田勲が夢見た未来を自らの手でつかみ取ったのだなあと感じずにはいられない演奏会でした。

最後の写真は初演の翌年に再演演奏会を全国ツアーでされた際に参加させて頂いた、東京公演の時のものです(上の二枚目の写真の演奏会です)。偉大な先輩の偉大な音楽に深く携われたこと、現代音楽の新たな歴史を切り開こうと努力し続けた冨田さんの一歩を一緒に踏むことが出来たことは本当に幸せでした。ご冥福をお祈りします。


©慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団、yamasow

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